二十節気「霜降」とはどんな季節？霜降の時期においしい食べ物も紹介！

「霜降」とは？

霜降とは、朝晩の冷え込みがさらに増し、地域によっては朝霜が降りはじめる頃です。暦上では最後の秋の節気となり、草花についた露が霜に変わり、日が短くなったことを実感し、だんだんと冬が近づいてきたことを感じることができます。そして、山々では紅葉で彩られます。

秋の醍醐味「紅葉狩り」

霜降の季節のイベントには、「紅葉狩り」があります。
この季節は、もみじや蔦（つた）が色づいてくる頃です。紅葉は、最低気温が8度以下の日が続くことで、葉っぱが緑色から赤色や黄色に変化することをいいます。鮮やかな色に染まりきった山々の景色は、とても美しく、秋の楽しみの１つでもありますね。
紅葉を鑑賞する習慣は、奈良時代から始まったといわれ、日本最古の和歌集「万葉集」の中にも、『紅葉』の風景を詠んだ詩や、『黄葉（もみち・もみぢ）』という言葉が多く出てきます。平安時代には貴族の間で広まり、次に訪れる冬の寂しさや、紅葉した後に散る葉に自分自身を重ね、無常を感じていたという説もあります。
江戸時代になると、一般庶民にもメジャーになり、現在の紅葉狩りと同じように紅葉の名所を見に行ったり、木の下でお弁当や軽食をとりながら、紅葉を楽しむスタイルになったとされています。

霜降の時期の美味しい食べ物

「柿」
柿は10月中旬から11月にかけて旬を迎える果物です。
「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるほど、柿には体によい栄養がたくさん含まれています。
柿に含まれるビタミンAには、皮膚や粘膜の健康をサポートする働きがあります。ウィルスの侵入を防ぐためには、のどや鼻の粘膜を強化して、粘液分泌を高めることが大切です。
また、柿に含まれているビタミンCの含有量は果物の中でも上位です。柿100gあたりに含まれるビタミンC は70mgであり、柿半個〜1個で1日分のビタミンCが摂取できるといわれています！ ビタミンCは美容効果が高く、シミやソバカスの原因となるメラニン色素の沈着を防ぐ働きがあるとされ、美肌効果が期待できます。また、免疫力を高める効果もあるといわれ、風邪をひきにくい丈夫な身体をつくるサポートもしてくれます。「免疫力」が注目されている今、積極的に摂取したいものですね。

「鮭」
通年食べることができる鮭ですが、それは「ときしらず」という鮭で、ロシアのアムール川で生まれ、北海道沿岸を回遊している最中に定置網にかかったものです。一般の国産鮭は、日本の川で生まれます。また、霜降の季節に美味しくなる鮭を『秋鮭』といいます。鮭は川で誕生して海に下り、産卵までの数年間は北の海で成長し、産卵期の秋に再び生まれた川へ戻ってくる回遊魚です。東北や北海道沿岸などで生まれた鮭は9～11月頃に戻ってきます。この時期に獲れる鮭は「秋鮭」や「秋味（あきあじ）」と呼ばれています。秋鮭の特徴は、産卵前のため身が引き締まっていて、脂分が控えめなことです。身自体があっさりとしているので、そのまま焼いて食べるよりも、バターを使ったホイル焼きやムニエル、フライといった料理に向いています。
鮭には、ビタミン類や脂肪酸、アスタキサンチンが豊富に含まれています。
アスタキサンチンとは、鮭の赤い色素成分のことで、ビタミンCの約6,000倍という強力な抗酸化作用があります。抗酸化作用によって、美白・美肌効果、眼精疲労の回復効果、筋肉疲労回復効果があるといわれています。
アスタキサンチンや、ビタミンDやビタミンEなどの脂溶性のビタミンは、油と一緒に食べると効率よく吸収できるといわれています。バターやオリーブオイルを使ったソテーや、ムニエルなどの食べ方がおススメです。さらに、アスタキサンチンはレモンと一緒に摂取することで、老化や、がん、生活習慣病などの予防になる抗酸化作用が増すといわれています。ムニエルやフライにレモンを添えるのは、味はもちろん、健康にもよいので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、霜降についてご紹介しました。
今年はコロナにより、遠出のお出かけは難しいかもしれませんが、近くの山や自然が赤や黄色に染まる「紅葉」を愛で、秋の味覚を味わいながら、秋を感じてみてはいかがでしょうか。また、日本料理では、季節を感じるために、紅葉を飾ったり、器に紅葉が描かれているものもあるので、食卓を紅葉で彩るのもいいかもしれませんね。
今まで気づかなかった素敵な“秋”に出会えるかもしれません。
また、これから本格的な冬がやって来ます。栄養のあるものをしっかりと食べて、寒い冬に備えましょう。

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