二十四節気「穀雨」とは?穀雨の時期の美味しい食べ物についても解説!
季節の学び
2022.05.02
「穀雨」とは?
春の雨が穀物を潤す季節です。穀雨に入ると雨が多く降るようになり、田畑の種まきに適しています。田植えの準備が始まり、草木も伸び始め、緑色の葉がきれいな時期になります。穀雨が終わる頃に八十八夜を迎え、それが過ぎると暦の上での夏が始まります。
八十八夜と新茶
「夏も近づく八十八夜~」と歌にもあるように、茶摘みと八十八夜のつながりを知っている方も多いのではないでしょうか。
立春から数えて88日目の夜のことを八十八夜といいます。八十八を組み合わせると「米」という漢字になることや、末広がりの姿をしている「八」が二つ重なっていることから、縁起のよい日とされ、田植えや茶摘みなど農業に関わる人々に大切にされてきました。
その年の最初に摘むお茶を「新茶」と呼び、「一番茶」ともいわれます。八十八夜の頃に摘むお茶は「新茶」です。冬の間に蓄えた栄養がつまった新芽を収穫するため、栄養価が高く、特にうま味成分が二番茶以降のものよりも多く含まれています。
お茶は不発酵茶の緑茶、半発酵茶のウーロン茶、発酵茶の紅茶と大きく3つに分かれます。さらに、不発酵茶は煎茶、玉露、抹茶、番茶、再加工茶などの種類に分かれます。上質な葉を育てるために、覆下園という日光を遮った茶畑で栽培された茶葉は新芽が軟らかくなり、渋みも少なく、うま味が強いのが特徴で、玉露や抹茶に使われます。新芽が伸びて硬くなった古葉や茎は番茶に、番茶や緑茶を再加工したものは焙じ茶や玄米茶になります。加工によってお茶の種類も異なり、またお茶を入れるときのお湯の温度によっても味わいが異なるのもお茶の楽しみですね。
雑節とは
二十四節気、五節句(端午の節句など)以外の、さらに細かく季節の変化を感じ取るために日本独自でつくられた暦を「雑節」といい、節分や彼岸、入梅などがあります。日本の生活や農作業と密接な関係があり、農作業の目安として中国で作られた暦の二十四節気を補う暦として現在にも広く使われています。
八十八夜も雑節のひとつです。「八十八夜の別れ霜」といって、この季節の最後の霜が降りると気候も安定してくることを表すことわざがあります。農業が生活の中心だった人々にとって気候を把握することは必要不可欠であり、長く生活していくための知恵が今の時代にも生きています。
穀雨の時期の美味しい食べ物
「新じゃがいも」
通常、じゃがいもは収穫後2~3か月貯蔵してから出荷されますが、春先に店頭にならぶ新じゃがいもは、貯蔵せずに出荷されます。収穫してからすぐのじゃがいもなので、皮が薄くて水分が多いのが特徴です。皮ごと料理に使うことができ、じゃがいもの風味がより強く感じられるのはこの時期ならではです。煮崩れしにくいので、煮込み料理にも向いています。
じゃがいもは、肌の調子を整えてくれるビタミンC、体の余分な塩分を排出してくれるカリウムを多く含みます。特にビタミンCは芋類のなかではトップクラス。加熱しても壊れにくく、ほかの野菜と比べて多くとることができます。
「ホタルイカ」
ホタルと同じように青く光ることから名付けられたホタルイカ。夜の海で青白く光るホタルイカを獲る漁の様子は、春のニュースとして取り上げられています。
ホタルイカに多く含まれるタウリンは、貝類やタコ、イカなどの軟体動物に多い栄養です。コレステロールの吸収を抑える働きや、肝機能の改善、高血圧の予防などの働きを持っています。人間の体内で作られる量が少ないので、食品から取り入れましょう。
ホタルイカは傷みが早いため、お店に並ぶのは釜茹でされており家庭での調理も簡単です。白い球状の目、足の間にある丸くて硬いくちばし、そして胴の中にある軟骨を取り除くと食べやすくなります。酢味噌和えや煮物、炒め物でもおいしく、丸ごと味わえる春の味覚です。
まとめ
今回は、穀雨についてご紹介しました。恵みの雨と暖かい日差しが新しい季節を運んできます。新年度で気持ちも体も、つい頑張ってしまうかと思います。朝に新茶を淹れてひと息つく時間をつくってみてはいかがでしょうか。お茶が気持ちを和ませてくれ、すっきりとした気分で1日を始められます。
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