二十四節気「春分」とは?行事やこの時期美味しい食べ物も紹介!
季節の学び
2022.03.01
3月の2つ目の二十四節気「春分(しゅんぶん)」。
2024年の春分は3月20日(3月20日~4月3日)です。
では「春分」はどのような季節なのか詳しく紹介していきます。
「春分」とは?
春分は昼と夜の長さがほぼ同じになります。そして、この日から昼が長く、夜が短くなり、寒さが和らぐことから季節の目安とされました。春の訪れを告げる「春雷」と呼ばれる雷も見られ、恵みの雨が大地を潤します。季節の変わり目で大気が不安定なため、雪や雹が降るところもあります。
彼岸とお墓参り
春分の日を真ん中として前後3日間を含めた7日間を「春の彼岸」といい、この期間にはお墓参りをする人も多いかと思います。秋分の日も同様で、「秋の彼岸」がありますね。
春分と秋分にお墓参りをする理由は、太陽が真東から上り、真西に沈むことに由来しています。仏教では悟りの世界を「彼岸」、私たちがいる煩悩に満ちた世界を「此岸(しがん)」と呼びます。彼岸は西に、此岸は東にあり、春分と秋分は彼岸と此岸が通じやすくなり、修行をつむことで悟りの世界に到達できると考えられていたことから先祖供養をするようになりました。
お盆は此岸に帰ってくるご先祖様をお迎えする日ですが、お彼岸は悟りの世界である彼岸に私たちが近づく日。
先祖供養でご先祖様に感謝をするとともに、日頃の自分の行いを見つめなおしてみるのもいいかもしれませんね。
お彼岸料理とは
春分の日に食べるものといえば、「ぼたもち(牡丹餅)」があります。なぜ、ぼたもちを食べるのでしょうか。「ぼたもち」に使うもち米は五穀豊穣を祈り、小豆の赤色が魔除けの効果をもつと考えられていたことや、昔は高価な食材であった砂糖をふんだんに使うことから、ご先祖様にお供えするのにふさわしいとして定着したようです。
精進料理を食べる地域も多くあります。出汁は昆布やしいたけなどの植物性の食材でとるので、動物性の出汁よりも優しい味わいになります。身近なものではけんちん汁がイメージしやすいでしょうか。野菜に加え、豆腐やごま油を使うことで、素材の旨味が詰まった一品になります。
国民の祝日に関する法律では、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」。私たちの体をつくる食べ物にも感謝の気持ちをもって、味わっていただきたいですね。
春分の時期の美味しい食べ物
独活(ウド)
シャキシャキとした歯ごたえと、ウド特有の風味から春の訪れを感じます。
ウドは数少ない日本原産の野菜のひとつです。古代山野で自生していたウドは、江戸時代以降、栽培されるようになったといわれています。収穫せずに成長させると2~3メートルにも成長しますが、私たちが食べているのは30㎝ほどに成長した若芽です。
体内の過剰なナトリウムを排出しやすくするカリウムを多く含み、水分も豊富です。生のままでも食べられますが、アクが強いので皮を厚めに剝き、酢水にさらしてから調理するとよいでしょう。ウドを選ぶときには、白くて太く、まっすぐ伸びているものを選びましょう。そして、産毛がびっしりと密に生えているものが新鮮です。
はっさく
はっさくは酸味がやや強く、さっぱりした甘味とほんのり感じる苦味が特徴です。
実は、日本原産の柑橘で、江戸時代に広島県因島の恵日山浄土寺で発見されました。現在でも因島では、特産品であるはっさくを使ったお菓子や酒などの加工品などが多く販売されています。
豊富に含まれるビタミンCは体の免疫力を高め、肌を守る効果があります。皮を剥いてそのまま食べるのもいいですが、春キャベツなどの春の野菜と一緒にサラダにするのもおすすめです。
まとめ
今回は、春分についてご紹介しました。本格的な春の訪れとともに、桜や菜の花も見頃を迎えます。新年度に向けて生活に変化のある時期でもあります。ご先祖様はじめ周りの方、食べ物、自然にも感謝を忘れず、春の景色と美味しい食べ物で心身ともに整えながら、新しい生活に向けての活力をつけていきたいですね。
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