ティッシュを使って水を動かす方法とは?原理について解説
「夏休みの自由研究の題材に困っている」
「新しく買ってまで材料を準備したくないので、身近なもので科学実験がしたい」
「子どもと楽しめるような科学の実験をしてみたい」
毎年自由研究のネタに何を選ぶか悩んでいる、子どもが理科や科学にまったく興味を示さないため困っている、そんな保護者の方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、ティッシュペーパーだけでコップの中の水を動かす実験を紹介します。この記事を読んで実験することで、身近にあるものを使って、簡単に手品のような実験ができるでしょう。
この記事を参考にして、お子さんと保護者、友達同士で実験を楽しみ、身近にある科学を感じとりましょう。また「なぜ?」「どうして?」と考えることで、思考力や発想力を養ってください。
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目次
ティッシュを使って水を移動させよう
コップに手を触れないで、コップの中の水を隣のコップに移す方法を紹介します。しかも、使うものはコップやティッシュペーパーなど、身近にあるものだけです。また、この方法はとてもシンプルで楽しい実験です。
実験をして、見事にコップの中の水を動かすことができたら、どうして柔らかなティッシュペーパーでコップの中の水を移動させられるのか、その理由を考えてみましょう。
また、その原理を利用しているものや、どうしたら効率的に水を移せるのかなど、いろいろと考えてみましょう。
実験に必要なもの・環境・準備
- 透明のコップ(2個以上)
- ティッシュペーパーまたはキッチンペーパー
- 水
- 食紅(必要に応じて)
用意するコップは、プラスチック製でもガラス製でも良いですが、透明の方が水の量が見やすいでしょう。少なくとも2個は必要です。
移動する水を好きな色にしたい場合は、食紅を使うと良いでしょう。
実験の方法・手順
- コップに水を入れます。
- ティッシュペーパーを細長く丸めます。
- 丸めたティッシュペーパーの両端を、水入りのコップと空のコップに入れ、橋渡しをします。
- 数時間、時々観察しながら待ちます。
一つのコップに6~8分目まで水を入れます。ティッシュペーパーを細長く丸め、片方の端を水の入ったコップに入れます。さらに、ティッシュペーパーの中間を曲げて、もう片方の端を空のコップに入れましょう。
しばらく待っていると、橋渡しした細長いティッシュペーパーを水が上っていくでしょう。そして、空のコップに入ったティッシュペーパーの端から、水が滴ってきます。
どれぐらいの時間で水がどのように移動するか観察します。また、移動する水の色を食紅で変えたり、コップの数を増やしたりしてみると、楽しく実験できるでしょう。
ティッシュペーパー以外の材料を使ってみても、実験の原理を考えるきっかけになります。
実験からわかること
ティッシュペーパーを水が移動した現象を「毛細管現象」と言います。
毛細管現象に関係するのが、液体(水)の「表面張力」、固体(ティッシュペーパー)の「濡れやすさ」「毛細管の直径」です。
水の分子の間には分子間力(凝集力)が働き、水の分子同士で引き合っています。しかし、水面の水の分子は気体(空気)に接しているため、中に引っ張られて表面が丸くなります。この力が表面張力です。
細い管を水につけると、表面張力の影響でせり上がったふちに水面が引っ張られ、上昇します。また、管と水の分子との間に働く付着力が大きいため、水は管の壁に引き寄せられて移動します。管が細いほど、水はより高い位置まで移動していくでしょう。
今回の実験では、ティッシュペーパーの繊維同士の細かいすき間が、細い管と同じような働きをして水を吸い上げました。
そして、この現象はティッシュペーパーだけでなく、布などでも見られ、布地を染める場合などに利用されています。