ジュースからDNAを取り出してみよう!仕組みや実験方法について紹介
「DND検査や遺伝子検査ってどんなことをするの?」
「簡単にDNDや遺伝子を目で見たり、触れたりすることはできる?」
「子どもの自由研究のテーマが欲しい」
DNAや遺伝子と聞くと難解で、専門的な知識や機械がないと目にすることはできないと考える人も多いでしょう。
この記事では、身近な材料と道具を使ってDNAを抽出する方法を紹介します。また、DNAとは何か、またその構造や働きなども解説するので、遺伝子に関する理解が深まるでしょう。
この記事を読んで、一見難しそうに思えるものの、人間の体に不可欠なDNAを取り出し、遺伝子について学んでください。そして、祖先から子孫へ受け継いでいく遺伝子の不思議に触れてみましょう。
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目次
ジュースからDNAを取り出そう
「DNA」は、「Deoxyribo Nucleic Acid」の頭文字を並べたもので、すべての生物が持っています。DNAは、人の体に数十兆個あるといわれている細胞内の「核」に存在します。核の中にある「染色体」を構成しているのがDNAです。
DNAは二本の鎖が絡み合うような形をしています。この二重らせん構造をしているDNAの一部が「遺伝子」です。遺伝子によって、親の持つ形や性質、特徴の一部が子へと継承されます。
このように生物の存続に関わる重要な意味を持つDNAを、簡単に手に入る材料を使って、取り出して観察したり、触ったりしてみましょう。
そして、簡単にDNAが取り出せる理由について考えてみてください。また、祖先から自分へ、自分から子孫へ受け継がれている遺伝子についても、家族や友達などと話し合ってみましょう。
実験に必要なもの・環境・準備
- 透明なコップ
- オレンジジュース
- 無水エタノール
- 割り箸
DNAはすべての生物から抽出することができます。今回の実験では、オレンジジュースからDNAを取り出してみましょう(オレンジジュース以外のジュースでも可能です)。
必要な材料は、透明なコップ(ガラス製でもプラスチック製でもよい)、無水エタノール、割り箸、などです。
無水エタノールは、薬局やドラッグストアなどで手に入ります。割り箸はどんなものでも構いません。
実験の方法・手順
- 透明なコップにオレンジジュースを注ぎます。
- オレンジジュースが入ったコップに、割り箸を使って無水エタノールを注ぎます。
- しばらく静置しておきます。
- コップの中を観察します。
コップにオレンジジュースを注いだあと、無水エタノールを割り箸に伝わらせて注ぎます。その際、ゆっくりと丁寧に入れていき、二つの液体が混ざらないように注意しましょう。
しばらくすると、無水エタノールの層に白っぽいふわふわしたものが浮き上がってきます。これがDNAです。
観察が終わったら、抽出できたDNAを割り箸で取り上げてみましょう。また、DNAを触ったり、乾燥させたりしてみるのもよいでしょう。
なお、無水エタノールの取り扱いに関しては、誤って飲まない、引火しやすいので火の近くでは使わない、などに気をつけましょう。
実験からわかること
DNAや遺伝子と聞くととても難しく、自分には理解できないと思い込んでしまっている人もいるでしょう。しかし、DNAを自分の目で見たり触れたりできれば、ずっと身近なものに感じられるでしょう。
今回の実験では、無水エタノールを使ってオレンジジュースからDNAを取り出しました。今回の実験は、水に溶けやすくエタノールには溶けにくいというDNAの性質を利用しています。
この実験で、DNAや遺伝子がどんなものかという理解が、わずかながらでも深まったでしょう。
また、今回の実験を通して、自分が親や祖父母から受け継いだ部分や似ている部分を家族で話し合ったり、自由研究のテーマとして科学的な視点から考えを広げたりしてみるのもよいでしょう。