野菜で紙を作ろう!必要な材料と作り方を紹介
「家にあるもので何か簡単にできる自由研究はないかしら?」
「子どもと一緒に手作業して楽しむ自由研究はないかしら?」
子どもの夏休みの自由研究のテーマを決めるのは、保護者にとって頭の痛い課題ですよね。
本記事では、身近な野菜を使って紙を作るやり方を説明します。例えば、傷んでいる野菜で紙を作ることで、本来ゴミになるものが再利用できることを学べます。また、環境問題について親子で話す良い機会にもなるでしょう。
この記事を読むことで、どんな野菜を使えて、どのような実験で紙になるのかが理解できます。
野菜で紙を作ってみたいという方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
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目次
野菜で紙を作ろう
この実験をする前に、私たちがふだん使っている紙は何からできているのか、ぜひお子さんと話してみてください。
低学年の子どもにはちょっと難しい質問かもしれませんが、高学年の子どもであれば「木」という答えがすぐに返ってくるでしょう。
そんな答えが返ってきたら、昔ながらの紙作りでは木をたたいたり削ったりして「繊維」を取り出し、のりと混ぜて網目にかける「紙漉き」作業があることを、実験前に軽く説明してあげましょう。
この実験では紙漉き作業は特にしませんが、昔ながらの紙作りの方法を話しておくことで、子どもの興味も広がるでしょう。
実験に必要なもの・環境・準備
まず、どんな野菜を使うのかを決めましょう。
選ぶ野菜の目安は、繊維が多く、ゆでた後でピュレにしたときに水気が多すぎないものです。
これは、攪拌したときに水気が多すぎると水分を絞るのが難しく、乾燥しにくくなるためです。
使う野菜が決まったら、紙漉き枠より一回り大きいプラスチック容器を用意します。用意する数は、実験で使う野菜の数に合わせてください。
重石となる本は、容器に入るサイズのものを用意しておきましょう。
- 紙漉き枠(市販キットを使うのが一番便利です)
- 野菜(今回は、レタス、玉ねぎの皮、にんじんで実験します)
- タオルとガーゼ
- 大きなプラスチック容器(今回は3種類の野菜を使うため、3つ用意しました)
- 重石となるような重い本
- なべ、ナイフ、ザル、スプーン、ビニール袋
実験の方法・手順
- 紙を作りたい野菜を切る
- 野菜を鍋でクタクタになるまで煮る
- ミキサーなどで攪拌する
- ザルで水気を切る
- 水気を切った野菜を紙漉き枠に入れる
- スプーンで厚みを均一にしてシート状にする
- 紙漉き枠の上と下にガーゼを敷いて、余分な水気を絞る
- タオルを敷いたプラスチック容器に野菜シートを移す
- 野菜シートの上にタオルをのせ、重石となる本をのせる
実験の手順は、以下の通りです。
はじめに、選んだ野菜を適当な大きさに切って鍋で煮ます。このとき、野菜の繊維を取り出すために、クタクタになるまで煮てください。
鍋で煮た後は、ミキサーやフードプロセッサーなどで攪拌していきます。水を少し入れるとピュレ状になりやすいでしょう。
ピュレ状になった野菜を取り出し、ザルに入れて水気を切ります。このときに、ピュレ状になった野菜をしっかり絞っておくと良いでしょう。
紙漉き枠に入れて、水気を切った野菜の厚みをスプーンで均一にしていきます。このとき、野菜の余分な水気をふきとるために、紙漉き枠の上と下にタオルやガーゼを置き、手で圧をかけてシート状にしていきます。
枠にのった野菜シートを、上からと下からのガーゼでサンドイッチのように手でギュッとはさむイメージです。
紙漉き枠の上の野菜をプラスチック容器にゆっくり入れます。この段階では野菜がまだ固まっていないため、壊れないよう細心の注意を払いながら移してください。
この作業をするときは、紙漉きキットがおすすめです。
最後に、シート状になった野菜の上にタオルを敷き、重石となる本をのせて乾燥させます。このとき、重石となる本を濡らさないように、ビニール袋をかけるなど工夫するといいでしょう。
実験からわかること
ふだん私たちが使っている紙の主成分は、繊維製の多糖である「セルロース」というものです。
木材を砕いたパルプから、セルロース以外の不純物を取り除いて作られるため、不純物の量が少なければ少ないほど、色が白く薄い丈夫な紙になります。
今回の実験では、このセルロースの代わりになるものを野菜から作り出しました。
実験で使ったのは、玉ねぎの皮、レタス、にんじんの3種類です。すべて同じ工程で実験を行いましたが、破れずに紙状にできたのは「レタス」1種類のみでした。
にんじんは乾かすときにシートが破れてしまい、玉ねぎの皮はきめが粗かったため紙状にはなりませんでした。
今回の実験では、すべての野菜を紙にすることはできませんでしたが、たとえ試した野菜が紙にならなくても、過程と結果をじっくり学び取れれば、子どもの科学に対する好奇心が満たされることでしょう。
今回紹介したこの実験は、小学校4年生以上の子どもにおすすめします。
その理由は、紙漉き枠に入れる作業の前に野菜を切ったり、煮たり、攪拌させたりと下準備に時間がかかることや、乾燥させる際にタオルをこまめに変えたり、野菜シートが崩れやすかったりと慎重さが求められるためです。
今回は紙にならなかった野菜を使ってもう一度実験するのであれば、「前回はなぜ紙にならなかったのか」を話し合い、改善点を見つけてみるのも面白いのではないでしょうか。
週末や長い休みの間など、ぜひお子さんと挑戦してみてください。