食塩水から結晶を取り出す方法とは?必要な材料を紹介
「理科の実験に興味があるけど簡単な実験から挑戦してみたい」
「夏休みの自由研究でちょっと変わったテーマをやってみたい」
とお悩みではありませんか?
そんな時、塩の結晶づくりは簡単でおすすめです。材料は家にある塩と水だけですぐに作業が開始できます。
この記事では、塩の結晶づくりで失敗しないポイントと結晶の仕組みについて紹介しています。
準備が整ったあとは、数時間放置しておくだけで不思議な結晶になっていく様子が観察できるでしょう。
時間がかかりそうだと思われがちですが、成功すれば3~4㎜の大きさの結晶が半日程度でできます。
また手に取れる大きさなので顕微鏡が無くてもよく観察できます。
小さな塩の結晶ができたら、次は少し大きい結晶やミョウバンの結晶作りにも挑戦してみてください。
宝石のようにきれいできっと感動することでしょう。
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目次
実験に必要なもの・環境・準備
- 食塩 40g
- 水 100ml
- 平たい容器
- コップ
塩を溶かすコップはなんでも構いませんが、結晶化させるための容器は底が平らでないときれいな結晶になりません。
平らな容器は大きめの方が、早く水分が蒸発するため結晶化も早くなりますが、食塩水の量が多いとなかなか水が蒸発できず結晶化にも時間がかかってしまいます。
また、季節や気温によっても蒸発の速さが変わります。なるべく天気が良い日を選んで実験してください。
実験の方法・手順
- コップや容器をきれいに洗います。
- コップに水と塩を入れて溶かします。溶け残りが下に沈みます。
- できた食塩水のうわずみ液を平らな容器に入れます。1㎜の深さでOK
- 日当たりの良いところに数時間置いて蒸発させます。
- 塩の結晶ができます。気を付けて取り出してください。
コップや容器に汚れがついていると結晶化に失敗するので必ずきれいに洗いましょう。
水と塩を入れて2、3分よくかき混ぜます。
溶け切らなかった塩が入らないようにうわずみ液のみを使います。
平らな容器に入れる時、たくさん入れると蒸発しにくいので、1㎜程度の深さにしてください。
日当たりの良い屋外に置いておく時はゴミが入らないように軽くふたをしたほうが良いですが、蒸発の妨げにならないよう必ず隙間を開けてください。失敗する原因となります。
塩の結晶はとても繊細なので取り出す時は気を付けてください。
実験からわかること
今回は、気温25度の天気が良い日を選び屋外で実験しました。
3時間ほどで容器の底に小さな四角い結晶がたくさんできました。
蒸発しすぎたので余った食塩水をつぎ足し、さらに3時間ほど放置すると3~4㎜のサイズになり、顕微鏡で見なくてもしっかりと四角い結晶が見えます。
結晶はどのような仕組みになっているのでしょうか。
塩がこれ以上溶けない状態の水が「飽和食塩水」です。この状態でゆっくり蒸発させると、水の中で1度バラバラになったイオン同士の結合力がどの方向にも等しく働き、整った形で再結合されます。
食塩の場合、塩化物イオンとナトリウムイオンが1つずつ結合してできていて、これらのイオンが飽和食塩水の中で再結合すると、縦にも横にも等しく結合していきます。
そのため、結晶の形は、立方体や正六面体になるのです。
夏休みの自由研究にする場合は、結晶ができる仕組みや、形について観察した結果をまとめましょう。また、塩が溶け切る飽和食塩水の割合について研究するのも良いでしょう。
結晶に興味を持ったら、ミョウバンの結晶にもぜひ挑戦してみてください。塩の結晶とは違う形になります。
また、難易度は高いですが、大きいサイズの結晶に挑戦するのも面白いのではないでしょうか。
苦労して大きく育てた結晶は、きっとすてきな宝物になることでしょう。