一瞬で水を早く凍らせる方法とは?ペットボトルを使っておうちで実験してみよう

「注いだ水が一瞬にして凍ることがあるって本当?」
「0℃以下になっても水が凍らないことはあるの?」
水を器に注いだら一瞬にして凍ってしまったという様子を見たことがあるでしょうか。まるでアニメやCGのように水が凍ってしまう様子は、目の前で見たらきっと驚き、楽しくなるでしょう。

この記事では、ペットボトルなど身近なものを使って、水にある工夫を加えて冷やし、一瞬にして凍らせる実験をします。この記事を読めば、どのようにして水が氷になるか、どのような工夫をすれば水が一瞬で凍るのかがわかります。

この記事を参考にして、家族や友達と一緒に知恵を出し合い水と氷の実験をしてみましょう。そして、水と氷の不思議を体感してみましょう。

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一瞬で水を凍らせるには?

水を器に注ぎ入れると、水が器に落ちた瞬間氷に変わることがあります。不思議な現象ですが、科学的にあり得ることです。

普通、水は0℃になると凍り、液体から固体へと変化します。しかし、水の温度を約-5℃に冷やしても、液体のまま凍らないことがあります。ところが、この水に衝撃を加えるとたちまち凍ってしまうのです。

今回は、家庭にもあるペットボトルなどを使い、この約-5℃の水を作り、水が一瞬で凍る実験をしてみましょう。

実験に必要なもの・環境・準備

  • 500mlペットボトル
  • (必要に応じて)断熱材・緩衝材
  • (必要に応じて)タオル
  • (必要に応じて)保冷剤
  • (必要に応じて)2Lペットボトル
  • (必要に応じて)スポンジ

自宅に温度調節ができる冷凍庫があれば、500mlペットボトルと器だけで実験ができます。

温度を指定できない冷凍室の中で水が凍ってしまう場合は、ペットボトルに断熱材やタオルを巻いてから、水を冷やします。

また、2Lペットボトルをカッターナイフで半分に切断し、その中にスポンジを置いて水を注いだ500mlペットボトルを入れ、2Lペットボトルをつなぎ合わせるという実験装置を作りましょう。カッターナイフを使用する際は、手を切らないよう注意が必要です。

必要に応じて、凍らせた保冷剤も用意しておくと良いでしょう。

実験の方法・手順

  • ペットボトルに八分目まで水を入れます。
  • ペットボトルと器をゆっくりと冷凍庫で冷やします。
  • 冷凍庫からペットボトルと器を静かに取り出します。
  • ペットボトルの水を高い位置から器に注ぎます。

まず、500mlペットボトルに約八分目まで水を入れ、キャップをして器とともに冷凍庫で冷やします。-5℃程度に設定した冷凍庫で、4~5時間かけて冷やしましょう。

静かに冷凍庫からペットボトルを取り出し、キャップをはずします。高い位置から少しずつ器の上に注ぐと、氷の山ができるでしょう。

ペットボトルを強く振ると、一瞬で氷になるので注意が必要です。また、器の上でうまく凍らない場合は、器の中に凍った保冷剤を置き、その上に注ぎ入れると水が凍りやすくなります。

均一にゆっくりと水を冷やすことは難しく、冷凍庫の性能によっても環境が異なるので、1度に約3本同じ水を入れたペットボトルを用意し、時間を変えて実験するのをおすすめします。

実験からわかること

水が凍るというのは、水の分子が自由に動き回っている「液体」の状態から、水の分子が決まった位置にとどまっている「固体」の状態に変化する現象です。

このように変化するためには、わずかですがエネルギーが必要です。しかし、ゆっくりと均一に水が冷やされるとこのエネルギーが得られないため、0℃でも凍らないことがあります。

液体から固体に変わる温度である「凝固点」より低温になっても、固体にならない状態を「過冷却」といいます。

今回の実験ではこの過冷却水を作り、高いところから落とすという衝撃でエネルギーを得た水が一瞬で凍った様子を見られました。

家庭の冷凍庫を使用すると、性能によって過冷却水を作るのが難しい場合もあります。必要に応じてペットボトルをタオルや断熱材で覆ったり、条件を変えてみたりしながら実験してみましょう。

※実験は安全性に十分配慮して行ってください。実験結果が記事と異なる場合でも弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。