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STEAM教育とは?実践される背景や国内での取り組み事例について紹介

STEAM教育とは?実践される背景や国内での取り組み事例について紹介

日本の学校では、インターネット環境が整っていなかったり、児童や生徒一人ひとりにパソコンが提供できなかったりといった点が諸外国に比べ遅れています。

 

STEAM教育では黒板によるインプットではなく、パソコン・タブレットを用いてプログラミングを行うため、1人1台のタブレット端末の普及は必須です。

 

また、海外でさかんに取り入れられているeラーニングの活用も日本ではいまひとつで、このことからも教育へのICT活用がかなり遅れていると言えるでしょう。

 

eラーニングを利用すれば、授業で理解できていないことを後で学ぶことができるため、子どもたちが自分のペースで学習することができます。

 

したがって、STEAM教育を通じて自分で学び、理解し、考える力を育むには電子環境の整備も必要です。

海外のSTEAM教育について

海外の事例として、中国のMake block社、シンガポールのサイエンスセンター、アメリカのHigh Tech Highの3つをご紹介しましょう。

 

1つ目のMake block社は、教育ロボットで一躍有名になった会社で、その代表的なものとして、「mBot」と「Codey Rocky」があります。

 

「mBot」はプログラミングだけでなく、金属のパーツを組み立てることを通じて、ロボットの動く仕組みも学べる教材です。

 

また、「Codey Rocky」は「次世代のレゴ」とも言われるプログラミングロボットで、障害物を避けたり、黒い線の上を走るといった自由度の高いプログラミングを学ぶことができます。

 

2つ目のサイエンスセンターは、シンガポール政府直属のSTEAM教育機関で、STEAM関連領域に関する修士号、博士号を持つスペシャリストが授業を行います。

 

特徴的なのは、実際の社会での使われ方に即した授業を受講できるという点です。子どもたちは、STEAM教育を学ぶ目的や社会の中で役立てる方法に関する疑問を自分たちで確認しながら学ぶことができます。

 

3つ目のHigh Tech Highは、プログラミングであったり、非認知能力などの育成に力を入れる学校で、eラーニングを積極的に採用しています。

 

なお、非認知能力とは、学力や偏差値といったような数字で表される認知能力と対照的に、創造性や意欲など具体的な数値では表しにくい能力のことです。

 

High Tech Highの特徴としては、教科書はなく、一日中頭と手を動かすこと、eラーニングを積極的に採用していること、成績表なしであること、などが挙げられます。

 

チームでプロジェクトを動かすことによって、思考力や実践力を養うというのが育成方針です。

STEAM教育について理解を深めておこう

STEAM教育は世界で教育が進んでおり、日本でも今後ますます普及していくと考えられることから、理解を深めておく必要があります。

 

たとえば、経済産業省が主催する教育改革に関する有識者会議「『未来の教室』とEdTech研究会」では、2019年6月に発表された第2次提言において、3つの柱について言及されました。

 

3つの柱とは、「学びのSTEAM化」「学びの自立化・個別最適化」「新しい学習基盤の整備」の3点で、実現に向けた課題とアクションについての提言がなされています。

 

その提言においては、「知る」と「創る」を繰り返すにより子どもたちがワクワクしながら学んでいくという「学びのSTEAM化」によって誰も取り残さない学びの提供を実現し、「新しい学習基盤づくり」のためにICT環境や制度環境を進めていく、というビジョンが示されています。

 

また、文部科学省・総務省・経済産業省の三省が連携して進めている「GIGAスクール構想」では、全国の学校に高速大容量の通信ネットワークを整備し、生徒1人に1台のデジタル端末の支給をすることを目的としており、こちらもSTEAM教育の普及に寄与することでしょう。

 

したがって、STEAM教育について理解し、子どもたちがワクワクしながら学んでいけるよう、支援していくことが大切です。

 

出典:「未来の教室」ビジョン 経済産業省 「未来の教室」と EdTech 研究会 第2次提言|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/mirai_kyoshitsu/pdf/20190625_report.pdf

 

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