日本の読解力が低下した理由|家庭内でできる対策や国・教育機関ができること 日本の読解力が低下した理由|家庭内でできる対策や国・教育機関ができること - chokomana
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日本の読解力が低下した理由|家庭内でできる対策や国・教育機関ができること

日本の読解力が低下した理由|家庭内でできる対策や国・教育機関ができること

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国際学習到達度調査(PISA調査)による日本の読解力データ

世界79ヵ国、約60万人の15歳児を対象とした国際学力テスト「国際学習到達度調査(PISA調査)」では、日本人の読解力が低下しています。

 

2018年の結果は、平均は超えているものの、前回(2015年)の8位から15位へと順位を落としています。

 

読解力問題に対する日本の正解率は、61%でした。プロセス別の正解率では、「情報を探し出す」が66%、「理解する」が63%、「評価し熟考する」が53%という結果で、自由記述問題にも弱い傾向があります。

 

文部科学省では、自分の意見を相手に伝える能力に課題が見られると考察しています。

 

出典:国立教育政策研究所(OECD生徒の学習到達度調査)
参照:https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/gakuryoku-chousa/sonota/1344324.htm

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国際学習到達度調査による読解力の定義

読解力と聞くと、文章を読み解く力だと思われがちですが、国際学習到達度調査による読解力の定義は違います。

 

国際学習到達度調査による読解力の定義は、自分の目標を達成して、知識を深め可能性を広げること、また問題文を理解・利用・評価・熟考することとされています。

 

国際学習到達度調査で求められる読解力は、全ての教科に関連していて、実生活でも生きてくるものです。社会の情報化が進んでいく中で、ますますこのような読解力が大切になってくるでしょう。

日本の読解力が低下した理由5つ

PISA調査で日本の読解力が低下した理由として、読書習慣の減少が挙げられることが多いですが、それだけではないようです。

 

日本の教育体制が社会の変化やグローバル化に追いつけていないことや、幼い頃からの家庭・地域環境など、根本的な部分に要因があると言えるでしょう。

1:全体的な読書量の減少

本や新聞など、普段から読書をしている子供たちは読解力問題の平均点が高かったことから、国際学習到達度調査で日本の読解力が低下したのには、全体的な読書量の減少が影響しているようです。

 

スマートフォンとネットの普及により、子供たちのコミュニケーションは、SNSでの短文のみのやり取りが日常となってしまっています。読書離れが進み、より長文と慣れ親しむ機会が減ってしまっているのが現状です。

 

読書は語彙力や読解力が身につくだけでなく、筆者が何を思って作品を書いたのかを文章から想像して読み取る力がつきます。

 

少しずつでも活字を身近なものにできると、子供たちが得られるものはとても多いでしょう。

2:家庭環境や地域によって語彙量の差

家庭環境や地域によって語彙力の差が生まれることで、小学生になる頃には読解力に差ができるようになってきます。

 

学校の国語教育では、個人差はあっても小学3年生頃には簡単な読み書きができるような指導を行いますが、言葉の基本は学校ではなく、家庭や地域で育まれていくものです。

 

言葉は、主に人とのコミュニケーションを通じて育っていきます。

 

家庭でのコミュニケーションや経験は、子供たちの言葉の根幹になるものです。絵本の読み聞かせや、対話の時間を意識的に作ることが大切です。保護者が多忙で時間が作れない場合は、テレビを消す時間を決めるのも良いでしょう。

 

また、地域との交流を深めることも語彙力の向上につながります。保護者や先生以外の大人とコミュニケーションを取ることによって、家庭ではできない経験をすることができるからです。

 

まわりの大人が積極的に子供たちとかかわり合っていくことで、語彙力も高くなっていくでしょう。

3:本・教科書・板書の読み方による決定的な差

本・教科書・板書の読み方による決定的な差とはなんでしょうか。それは、機能語を正しく読めているかどうかです。機能語は、「~と」「~に」「~のとき」「~だけ」などのつなぎ言葉で、文章の意味を決める大切な役割を果たしています。

 

機能語があやふやなままだと、単語の読み書きは問題なくできるようになったとしても、文章を正しく理解できません。それが本や教科書、板書を読むときに決定的な差として表れます。

4:丸暗記の方法をとってしまう

機能語を正しく理解できていない子は、丸暗記の勉強方法に頼りがちです。それは、教科書や板書を見ても意味が理解できないからです。

 

小学生のうちは丸暗記でも、テストを切り抜けられてしまうことが多いため、機能語が苦手な子供たちは、丸暗記での成功体験を持って中学校へと進学します。

 

学年が上がるに連れて、丸暗記での学習は難しくなっていきますが、社会・理科に関しては対応できてしまうため、子供たちも保護者もそこまで問題を感じられない場合も多いでしょう。

5:PISA調査から見る要因

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