読解力がない子供への対処法9つ｜子供の読解力がない原因となるものとは

日本の子供の読解力はどのくらい？

経済協力開発機構（OECD）が発表した学習到達度調査（PISA）によると、日本人の読解力が急落しており、「PISAショック」と呼ばれる急落状態になっています。

PISAとは、加盟国の15歳を対象に3年に1度実施されている国際的なテストで、数学応用力と科学応用力、読解力を測ります。

数学応用力は6位、科学的応用力は5位と、引き続き高得点グループに属しているのに対して、前々回4位、前回8位だった読解力は15位に急落しています。

このように、世界と比べてみても日本人の読解力は、低下傾向にあると言えます。

出典：OECD生徒の学習到達度調査2018年調査│国立教育政策研究所
参照：https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

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そもそも読解力がないとはどのようなこと？

読解力を測定する能力は「情報を探し出す」「理解する」「評価し、熟考する」の3つに分けられます。

2018年のPISAの結果では、「情報を探し出す」と「評価し、熟考する」の2つが特に低下していることがわかります。

つまり、現在における「読解力がない」というのは文字を追うことはできても、何が書かれているか内容を深くまで理解できていないということです。

出典：OECD生徒の学習到達度調査2018年調査│国立教育政策研究所
参考：https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/01_point.pdf

子供の読解力がない原因3つ

子供の読解力がない原因には、子供達を取り巻く環境の変化が大きく関係しています。

それは、パソコンやスマホの普及、さらにインターネットやゲームの充実といった現代ならではの環境です。ここでは、子供の読解力がない原因を3つ紹介していきます。

1：SNSの影響

子供の読解力がない原因の1つ目として、SNSでのコミュニケーションの増加による影響が挙げられます。

SNS上では絵文字やスタンプ、そして独自の略語などを使うだけで会話が成立してしまうことが多く、知らない言葉や難しい単語に出会うことが少ないことが大きな理由です。

さらに、SNSでは単語での会話が行われることも多く、主述関係など文章の構造を考えながら理解する機会も減ってきているため、正しい日本語を使うことがなかなかできなくなっているのが現状です。

2：読書習慣の減少

子供の読解力がない原因の2つ目として、読書習慣が減少してきていることが挙げられます。

世界的な学習到達度調査であるPISAによると、日本の子供たちの本を読む頻度において、「月に数回以上」だと答えたグループは、そうでないグループよりも読解力のテストで高い点数を取ったという結果が出ています。

基本的なことですが、読解力を向上させるためには読書をすることが大切です。

当たり前でもなかなかできていない人が多い、「本を読む」という行為を着実に行っていくことで、徐々に読解力が身につくでしょう。

3：デジタル娯楽機器の発達

子供の読解力がない原因の2つ目として、デジタル娯楽機器の発達が挙げられます。

現代はゲーム機の発達そして普及により、学校外でデジタル機器を使用する頻度が急激に増えており、スマホでもアプリをダウンロードすれば、無料でたくさんのゲームが楽しめる時代です。

国立教育政策研究所では、「2018年調査補足資料（生徒の学校・学校外におけるICT利用）」を公開しており、日本においてのデジタル機器利用状況の結果がその影響を物語っています。

たとえば、授業でデジタル機器を使う頻度では「利用しない」が83.0%、宿題でデジタル機器を使う頻度では「まったくかほとんどない」が78.8％という結果で、学習面では日本が最も利用していない国となっています。

それに対し、学校外でデジタル機器を使う頻度では「一人用ゲームで遊ぶ」に対する「毎日」「ほぼ毎日」の回答が47.7％、「チャットをする」に対する「毎日」「ほぼ毎日」の回答が87.3％で、どちらも参加国の中で1位となっています。

つまり、日本の子供は、日々デジタル機器に触れて使いこなしているにもかかわらず、勉強では使うことがないということが明らかになっています。

出典：2018年調査補足資料（生徒の学校・学校外におけるICT利用）│国立教育政策研究所
参照：https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/06_supple.pdf

読解力がない子供への対処法9つ