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モンテッソーリ教育に期待される8つの効果|年齢に応じた教育内容と海外との違い

モンテッソーリ教育に期待される8つの効果|年齢に応じた教育内容と海外との違い

「微細運動の活動」といい、ここでは主に手や指を使った運動をさします。

例えば、子どもに握りやすいものを実際に握らせたりするものや、手が届くところに置いて子どもがつかめるようにするものがあります。また、ボールをつかんで穴に入れるといった動作や、ハンマーでボールをたたくといった動きをすることで、微細運動の獲得を促します。

3:全身を動かす

この教育でいう運動は、小学校などの授業であるような鉄棒、リレー、跳び箱などを指すのではなく、歩く動作や、階段を上り下りする等の全身を使った大きな動きをいいます。

ずりばいから歩けるようになるまで、という「運動」を獲得する援助も行います。

4:教具を使った感覚教育

子どもの発達段階や興味に応じた感覚教具に触れることで、「視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚」の5感が研ぎ澄まされていきます。また、感覚教具を操作することで、子どもの知性の覚醒が促されます。

例えば、同じ大きさの穴に円柱をはめこむ「円柱さし」、大きさの違うタワーを積み上げる「ピンクタワー」、ベルを鳴らして同じ音や音の高低を聞き分ける「音感ベル」、小瓶のなかに甘味・酸味・塩味・苦味の入った液体を実際に味見し分類する「味覚瓶」などがあります。

5:絵や造形での自由な表現

子どもは本能的に、運動神経や感覚器官の発達を促す活動を自ら行います。

モンテッソーリ教育では、クレヨンや絵筆を利用して絵を描いたり、シール貼りや粘土をこねたりします。様々な画材を使うことにより、子どもたちは「自由に表現する」ことを楽しみます。また、目と手先・指先の協応した動作獲得が促されます。

6:音楽を使った自由な表現

子どもは音を聴くと、自然に体を動かす動作や、楽器を鳴らすなどして、「表現する」ことを楽しみます。音楽を聴くことや楽器を鳴らすこと、歌うことや踊ることなどを促す環境を用意します。

またこの教育は、リトミックと共通する部分があると言われています。これは、モンテッソーリがリトミックの創案者の弟子に音楽を依頼しており、モンテッソーリ教育では、0歳から3歳の子どもへの音楽の提示に対してはリトミックが良いとされているからです。

7:発達に合わせた言語教育

言語には「話しことば・書きことば」の2つがあります。「言語の敏感期」のうち、前期は話しことばの敏感期にあたります。

子どもの発達に応じた、話しことばの言語教育がなされます。

日常生活でのあいさつ、言葉あそび、絵カードという教具を使った言語獲得の援助、絵本、素話(教師がお話を語る)、劇あそびなどを通じて子どもたちは話しことばを習得していきます。

【後期】モンテッソーリ教育の教育内容5つ

「意識の芽生え」の時期と呼ばれる3歳から6歳までの後期は、前期に溜め込んだ様々な事柄を、意識的に整理し、秩序化していく時期です。

ここでは、子どもが本来持っている「自己教育力」を発揮させられる環境として、主に用意されている5分野について解説していきます。

1:実生活に密接した活動

この活動の目的は、運動の完成です。子どもは大人がすることを何でも真似したがる傾向があります。その「模倣期・運動の敏感期」を利用し、自分の身体を思い通りにコントロールする能力を身につける場になります。

「子どもは出来ないのではなく、やり方を知らないだけだ」という考え方に基づき、正確なやり方を伝えます。子どもは自分のことが自分でできるようになることで、自立に向けて大きな一歩を踏み出します。

具体例を挙げると、机を拭くことやハサミで切る動作、お花を生ける・コップに水を注ぐといったこと、室内を掃く・洗濯する・ボタンを掛けるなど、実生活に関連した多くの動作があります。

2:感覚を養い基礎を作る

3歳過ぎの子どもは、さまざまな感覚の刺激に対して敏感で、かすかな音を聞きつけたり、小さな物を見つけたり、微妙なにおいや味を区別できたりします。この「感覚の敏感期」を利用して、意識的に感覚器官を使いながら練習することが感覚教育です。

感覚器官が洗練されることにより、外界からより正確でバラエティに富む情報を収集できるようになります。その結果、知性や情緒が発達するというメリットがあります。

例えば、果物の大きさや色などを分類していく「くだものマトリョーシカ」、様々な形のものが入った袋を同じ内容で2セット用意し、手の感触のみで同じものを取り出すという「ひみつ袋」というものがあります。

また、いろいろな色と形からなる木製の三角形のプレートを組み合わせ、様々な形の図形を作る「構成三角形」などがあります。感覚教育は、モンテッソーリ教育において言語や算数、文化教育という知的な教育分野の基礎となる大切な役割を担っているのです。

3:総合的な学び

総合的な学びとは、子どもの興味(ことばと数以外)を対象とした幅広い分野を指します。歴史や地理、地学、動植物など、小学校の社会科や理科で学ぶような分野を扱っています。子どもの「知りたい」という要求に応え、興味の種を可能な限り多く蒔いていくことを目的とします。

また、ほかの4つの分野が統合された総合学習としても捉えられます。

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