お汁粉で鏡開き~子どもと作れるお汁粉レシピ~
食育
2023.01.06
新年になると日本古来の伝統行事「鏡開き」がありますね。
お餅を使って、お汁粉にするご家庭も多いのではないでしょうか。
今回は鏡開きと、お子さんと一緒に作れるお汁粉レシピについてご紹介します。
【鏡開きとは】
一般的に鏡開きの日は、毎年1月11日です。
鏡開きは、お正月の間、年神様にお供えした鏡餅を下げて私たちがいただくことで、その年を無病息災で平穏に過ごす力を分けてもらう武家発祥の行事です。
年神様は「刃物を嫌う」とされ、乾燥してかたくひびの入った餅をいただく際は包丁ではなく、木づちや手で割りましたが、「割る」という言葉は縁起がよくないことから末広がりの「開く」があてられました。現在は真空パックに入っている餅を飾るご家庭も多いですね。そうなると、餅を木づちや手で開くというのは難しいので、由来や意味を理解したうえで、食べやすい大きさに切ることもひとつの方法です。
【鏡餅に込められた意味とは】
鏡餅は、神様へのお供えものに使用する「三方」という台に「四方紅(しほうべに)」を敷き、丸餅を2つ重ねてのせ、その上に橙を飾ります。橙は年が明けても実が落ちず、“代々”繁栄するように、そして「四方紅」とは、四方を「紅」で縁取り「天地四方」を拝し、災を払って1年過ごせるようにという意味があります。そして、鏡餅の下から垂れ下がる紅白の紙「御弊(ごへい)」は、魔除けの意味を持つ赤色を使い、四方に繁栄するようにという願いを込めて飾られています。
鏡餅のお餅が丸い理由は、人間の心臓を表している、稲作生活に欠かせない太陽を表しているなど、諸説あります。お餅の丸い形が「三種の神器」と呼ばれる円鏡に似ていたことと、鏡は神様が宿る神聖なものとして大切に扱われてきたことから、鏡に見立てたお餅を飾り、新年をお祝いするようになったともいわれています。
【お汁粉は、昔は甘くなかった?】
お汁粉は砂糖が使われるようになったのは江戸時代以降で、それまでは塩味でお酒と一緒に食べることの多い食べ物でした。
塩味のお汁粉は現在では想像しにくいものですね。
【東西で違うお汁粉の定義】
「お汁粉」は、地域によって違いがあることをご存じですか。
関東では、粒あんでもこしあんでも汁気のあるものは「お汁粉」として扱うのに対し、関西ではこしあんで汁気のあるものを「お汁粉」、粒あんを使った汁気のあるものを「善哉(ぜんざい)」と呼ぶことが多いようです。関東の「善哉」は粒あんでもこしあんでも汁気のないものを指します。
粒あんでもこしあんでもお汁粉と呼ぶ関東地域ですが、こしあんだけのものを「御膳汁粉」、粒あんだけのものを「田舎汁粉」と呼び名が分かれる場合もあり、初めて聞く人も多いのではないでしょうか。
【お汁粉レシピ】
時間はかかりますが小豆からつくる粒あんは、小豆特有の香りが強く、砂糖の量が調整できるので、お好みの甘さに仕上げることができます。小豆からつくるお汁粉のレシピをご紹介しますので、時間に余裕のあるときに挑戦してみてください。
<材料(作りやすい分量)>
・小豆…100g
・砂糖…100g※
・塩…ひとつまみ
・お餅
※砂糖の量は目安です。お好みに合わせて量を加減して調整してください。
<作り方>
① 小豆はさっと洗って大きめの鍋に入れ、小豆の5倍ぐらいの水を入れて中火~強火にかける。
② 沸騰したらザルに取って鍋に戻す。
③ きれいな鍋に小豆と小豆の4~5倍の水を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして小豆が指でつぶせるやわらかさになるまで1時間ほど煮る。
(小豆が水から出てしまうとかたくなります。途中で水が足りなくなってきたらさし水をしながら煮てください)
④ 砂糖を3~4回に分けて加え、木べらで混ぜながら弱火で10~15分ゆっくり煮る。
好みの濃度になったら塩で味を調える。
(一度に砂糖を加えると小豆が締まってかたくなるので、分けて加えましょう)
⑤ 餅を焼いて器に盛り、④を注ぐ。
【お餅の代わりに】
お餅を食べることができる年齢の目安は、歯が生え揃い、よく噛んで飲み込むことができる3歳前後が望ましいです。3歳より下の年齢のお子さんには、お餅を代用したものでお汁粉を味わいましょう。粒あんは苦手な子も多いので、初めてのときにはこしあんで試してみるのもいいかもしれません。
お餅の代用としては、ご飯を軽く潰してまるめた団子のようなもの、さつま芋やかぼちゃを潰して丸めたさつま芋団子やかぼちゃ団子、牛乳と片栗粉でつくるミルクくず餅などがありますので、お子さんのお好みに合わせて用意してみてください。
小麦粉でつくる団子もあります。こねて丸めるところはお子さんと一緒にできますよ。
<材料(作りやすい分量)>
・薄力粉…40g
・塩…ひとつまみ
・ぬるま湯…25~30g
①ボウルに薄力粉、塩を入れ、ぬるま湯を加えて耳たぶくらいのかたさになるまでこねる。
(ぬるま湯が足りない場合は増やすなど、調整してください)
②ラップで包み、30分程おいて寝かせる。
③食べやすい大きさにちぎって丸め、真ん中をくぼませる。
(丸めて形をつくるところをお子さんに手伝ってもらいましょう)
④ 鍋にお湯を沸かし、丸めた生地を入れて茹で、浮いてきたらすくい上げて冷水にとる。
⑤椀に団子を入れ、汁を注いだら完成。
【まとめ】
今回はお正月の伝統行事にちなんだ鏡開きとお汁粉のレシピをご紹介しました。
縁起の良さを大切にし、「割る」ではなく「開く」と表現する日本語って素敵ですね。
お汁粉はホカホカの小豆の汁と熱々のお餅が入るため、体を温めてくれる寒い冬にぴったりの食べ物です。あんこの甘さにホッとして、気持ちが和らぐ人も多いのではないでしょうか。
お正月だからこそ飾る鏡餅は、丸いお餅とその華やかな色合いから子どもたちにとっても興味をもちやすいものです。一緒にお汁粉を作って食べながら、日本の伝統を語り継いでいってはいかがでしょうか。
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