ペットボトルの中に夕焼けを作ろう!原理について解説
「どうして夕方になると空の色はオレンジ色になるの?」
「昼と夕方で空の色が変わるのはなんで?」
このように、なぜ夕方の空はオレンジに色に変わるのか、疑問に思ったり子どもに聞かれたりしたことがある保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ペットボトルなどを使っておうちでも簡単に夕方の空を再現する方法について詳しく解説していきます。
記事を読むことで、おうちで夕方の空の色を作るときに必要な準備や方法、またその実験を通して夕方の空がオレンジ色になる仕組みを理解することができるでしょう。
子どもが自由研究をやりたいが、なにをすれば良いのか悩んでいたり、時間がなく簡単にできるものを探していたりする保護者の方、また、夕方の空の色の変化に疑問を抱いている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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目次
ペットボトルの中に夕方を作ってみよう
おうちで簡単に、ペットボトルや懐中電灯などを利用して夕方を作ることができます。おうちにある材料や道具で時間や費用をかけずにできる実験ですので、ぜひ挑戦してみましょう。
実験に必要なもの・環境・準備
この実験のために、新たに購入しなければならない道具はあまりないでしょう。家にあるものを使って、室内で気軽に実験を行うことができます。準備が整ったら、いよいよ実験の開始です。
- きれいで丸みのあるペットボトル1本
- 水
- 牛乳や液体せっけん(少量)
- 懐中電灯など強い光を出すもの
実験の方法・手順
- ペットボトルに水を9分目ほどまで入れる
- ペットボトルに牛乳や液体せっけんを少量入れてよく混ぜる
- 部屋を暗くして、懐中電灯などの光をペットボトルに当てる
まずはペットボトルの中に水を9分目ほどまで入れ、さらに牛乳や液体せっけんなどを少量だけ入れてよく混ぜましょう。それだけで準備は完了です。
次に、部屋を暗くしたらペットボトルを横にして置きましょう。そして、懐中電灯などの光をペットボトルの真上から照らします。すると、少し青白っぽくなります。これは、お昼の空の色を再現したものです。
その次に、ペットボトルの底の方から光を当てると、今度は底の方がオレンジ色になります。これが、夕方の空の色の再現です。
実験からわかること
空気中には、ほこりやちりなどの比較的大きな粒子が散乱しています。このほこりなどの役割をしたのが、牛乳や液体せっけんになります。
牛乳や液体せっけんが混ざった水は「コロイド溶液」と言い、1~500ナノメートルほどのとても小さな「コロイド粒子」が水の中に散らばっている状態です。
ここに光が当たると、「コロイド粒子」が光を散乱させます。これを「チンダル現象」と言います。
青っぽい光は散りやすく全体的に白っぽく見えますが、赤っぽい光は「コロイド粒子」が水中にあっても透過しやすく、ペットボトルの底から光を当てた場合でも飲み口のところまで光が届き、赤っぽくなって見えます。これが、夕日の正体だったのです。
しかし、夕焼け空はよく見ますが、朝焼け空はあまり見ないのではないでしょうか。理論的には、日の出も日の入も太陽光は地上に対して低い位置から照らしているので、どちらも空が焼けるはずなのに、朝焼けは見ないのは一体なぜなのでしょうか。
いろいろな説があるようですが、説の1つとしては朝は人々がまだ活動を始めておらず、空気がきれいな状態なので空に「コロイド粒子」が少なく、光が長距離まで透過しているからだと言われています。
逆に夕方になると、人々が活動して大気にほこりなどが舞っているため、青白い光をより透過しづらくしていると考えられるでしょう。人々の活動が大気の状態を変えているということを考えると、人が地球に及ぼす影響力はすごいのだなと思えます。
この実験はおうちでも簡単にできますので、ぜひ子どもの自由研究の参考にしてみてください。