寒天培地で微生物を培養して観察しよう!実験手順について解説
「夏休みの自由研究のテーマが決まらない」
「好きな理科の実験をしてみたいけれど、どんな実験がいいか思いつかない」
長いと思っていてもいつの間にか終わってしまう夏休みに、楽しい理科の実験をしてみませんか。
今回は寒天培地を作って、その中で微生物を培養する実験を紹介します。一見難しそうに見えますが、材料はスーパーやドラッグストアで揃う身近なものばかりです。寒天培地の作り方や培養方法なども丁寧に解説していきます。
これを読めば、理科の実験が楽しく行え、自由研究もサクサク進みます。また、どんなものに微生物が含まれるかを知るとても良い機会となるでしょう。
夏休みの自由研究のテーマで困っている方、理科の実験を探している方はぜひ参考にしてください。
▼この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます。
目次
寒天培地とは?
寒天培地とは、文字通り寒天を用いた培地のことです。今回の実験では片栗粉も混ぜて作っています。寒天も片栗粉も元々は白いですが、水に混ぜて熱を加えると透明になります。そのため、肉眼でも観察しやすいのです。
しかし、微生物は肉眼で見えないものがほとんどです。その場合にも寒天培地だと簡単に観察するやり方があります。
それは、うがい液などに含まれているヨードを利用するやり方です。微生物は寒天培地に含まれるでんぷんを分解しながら増えていきます。でんぷんとヨードが反応すると紫色に変色します。
つまり、でんぷんを分解して微生物が増えた部分は、ヨードに触れても紫色に変わらないのです。
実験に必要なもの・環境・準備
まず準備として、寒天培地を作りましょう。 粉寒天4g、片栗粉2g、水400mlを鍋に入れて加熱します。全て溶けて無色透明になったら、容器に1〜2cmの厚さになるように注ぎます。
そのまま常温で放置すると冷えて固まります。最後、中の水分を乾かすために逆さまにしてまたしばらく置いておきます。完全に冷えたら寒天培地の完成です。
加熱するので、小さなこどもと一緒に作業する場合には火傷にも十分気をつけてください。
- 粉寒天4g
- 片栗粉2g
- 水400ml
- 鍋
- 容器4つ
- ヨーグルト
- 納豆
- チーズ
- インスタントドライイースト
- 楊枝
- うがい液(ヨードが含まれているもの)
実験の方法・手順
- 寒天培地の容器に、食品の名前を記入する
- (ヨーグルト、納豆、チーズ)楊枝を使って食品を取り、寒天培地の真ん中にこすりつける
- (インスタントドライイースト)イーストを少量の水で溶いて、その溶液を楊枝で取り、寒天培地の真ん中にこすりつける
- 常温で3〜5日、30〜37℃で1〜2日培養する
- うがい液を10倍に薄めて、寒天培地の表面を浸す
- しばらくしたらうがい薬を流して、寒天培地を観察する
実験自体は、寒天培地の真ん中に食品をこすりつけて、常温で3日以上置くというシンプルなものです。 注意点は、楊枝は食品ごとに変えること、培養中はあまり揺らさないように保管することなどです。
実験からわかること(解説)
培養開始から3日経ち、10倍に薄めたうがい液をかけてみたところ、納豆、ヨーグルト、インスタントドライイーストをつけた寒天培地で、紫色にならない部分が観察されました。
以上の結果から寒天培地で微生物を培養できたことがわかります。うがい液を使うことで肉眼ではっきりと観察することもできました。
ただ、微生物には様々な種類があります。好みの温度環境や使う養分なども異なるので、全てが同じように培養できないことも実験からわかりました。
まとめ方
寒天培地を作って、身近な食品から微生物を培養して観察することができました。小さなこどもだと、身近な食品の中に微生物がいること自体、驚きの事実なのではないでしょうか。またうがい液を使うことで肉眼でもわかりやすく観察することができました。
最後に夏休みの自由研究へのまとめ方についてお伝えします。他に気になる食品を集めて培養してみてください。意外なものに微生物が含まれていることが発見できる可能性もあります。
また、今回培養した微生物について図鑑や図書館などで深く調べてみるのも興味深いです。ノートにまとめたり、大きな模造紙にまとめたり、まとめ方も色々あります。
ぜひ夏休みの長い期間を利用して、身近な微生物とじっくり触れ合ってみてください。