コーヒーの動きを観察して固有振動数について実験しよう!

「夏休みの自由研究何にしようかな」
「手軽な実験で苦手な化学の理解を深めることってできるかな」
などと、少し工夫をこらした自由研究がしたいと悩む方もいるのではないでしょうか。

この記事では、毎日飲む方も多いコーヒーを使い液体の動きを観察し、物体の固有振動数を調べる実験について説明します。言葉だけ聞くと、難しく感じる固有振動数ですが、それがどういったものなのかを目で見ることで、とてもわかりやすくなるでしょう。

この記事を読み、物の揺れる仕組みを簡単な実験を行い検証することで、なぜ物体は揺れるのかといった化学に対する興味を引き出すことができます。

子供は生活の中で、とてもたくさんの疑問をもっています。そんな疑問の1つを実験し、化学の力を知ることで、子供の考える力は養われます。簡単な実験なのでぜひ挑戦してみてください。

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実験に必要なもの・環境・準備

コップを揺らし、コーヒーの動きを観察するので、コーヒーがこぼれる可能性があります。濡れてもいい場所で実験を行うか、布巾などを用意しておきましょう。こぼれるのが気になる方は、ラップなどで蓋をするとこぼれにくくなります。

また、コーヒーの動きをより見やすくする為に、コップの中のコーヒーは少量にしておきます。量が多いとこぼれてしまって、どの程度動いたのかが観察しづらくなります。

  • 透明プラスチックカップ
  • 液体のコーヒー
  • ラップ(必要であれば)

実験の方法・手順

  • 透明のプラスチックカップにコーヒーを少量入れる
  • ゆっくりと左右に揺らす
  • 少しずつ左右に揺らす速度を速くしていく

まず透明プラスチックカップに2cm程度コーヒーを入れます。

次にコーヒーの入ったカップを左右にゆっくりと動かします。少しずつ左右に動かす速度を速めていき、コーヒーの動きの観察をします。

実験からわかること(解説)

カップに入ったコーヒーを左右に揺らすと、中のコーヒーも揺れますよね。ゆっくり揺らしたり、早く揺らしたりすると、コーヒーの揺れ方にも変化が起きます。

はじめにゆっくりと揺らすとコーヒーの揺れもゆっくりと穏やかですが、早く揺らすとカップからあふれそうなほど、大きく動きます。さらに速い速度で揺らすと逆に揺れは小さくなります

なぜ揺らす速度で中のコーヒーの動きが変わったのでしょうか。

物質にはそれぞれ異なった性質があり、それぞれに固有振動数(こゆうしんどうすう)があります。固有振動数とは1秒間に物質が振動(しんどう)する回数のことを言います。

振動には固有周期(こゆうしゅうき)があり、これは止まっている物質が、止まっている状態から左右に1往復して戻ってくる周期のことです。

例えば、振り子が最初に止まっている状態から左にいき右にいき、最初の地点に戻った状態になるまでにかかった秒数が固有周期となります。

このことから固有周期が1秒とすると、固有振動数は1秒に1回ですが、固有周期が2秒とすると固有振動数は1秒あたり0.5回となり振動が少なくなることがわかります。

固有周期が長ければ揺れは穏やかで、短ければ激しくなります。

コーヒーが激しく揺れているときは、左右に揺らす速度とコーヒーの固有振動数が一致しているからです。揺れる速度と固有振動数が一致している状態を共振(きょうしん)と言います。

他にも地震が起きた際に、建物の低層階にいるよりも高層階にいる方が揺れを大きく感じることがあります。これも建物の固有振動数が影響しています。なぜ高層階の方が揺れが大きくなるのか調べてみるのもおすすめです。

今回は観察がしやすいのでコーヒーを選びましたが、他の液体でも実験は可能です。色々な液体に、氷を入れたりとろみをつけたりして、どのように揺れが変化するのか実験してみても面白いですね。

※実験は安全性に十分配慮して行ってください。実験結果が記事と異なる場合でも弊社は一切の責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
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