炭酸飲料で骨が溶けるってホント?実際に実験してみよう
「炭酸飲料をよく飲むと骨が溶けるって本当?」
「炭酸飲料は本当に骨を溶かすの?」
甘くしゅわしゅわ感がある炭酸飲料は、子どもの興味を引く飲みものですが、自分の子どもに炭酸飲料を勧める大人はあまりいないでしょう。
子どもに炭酸飲料を飲むのをやめさせるために、「骨を溶かすから」と言い聞かせた経験はないでしょうか。
本記事では、「炭酸飲料で骨が溶ける」を実際に実験した内容を説明します。この記事を読むことにより、「炭酸飲料を飲むと骨が溶ける」説は本当なのかがわかります。
子どもが好きな飲みものを使って、親子で楽しく学べる自由研究はないかを探している方は、ぜひこの記事をチェックしてみてください。
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炭酸飲料で骨が溶けるのか実験してみよう
炭酸飲料で骨が溶けるのかをしるために、まずは炭酸飲料と骨の主成分について考えていきましょう。
種類によっても違いますが炭酸飲料には砂糖類や炭酸、香料に加え酸味料が入っています。一方、⾻の主成分は炭酸カルシウムで、人体にあるカルシウムのほとんどが骨になっています。
炭酸飲料で骨が溶けるとするならば、炭酸飲料のいずれかの成分が、⾻の主成分である炭酸カルシウムをとかすのではないでしょうか。
実験に必要なもの・環境・準備
実験に必要なものを説明します。
炭酸飲料1種類と炭酸が入っていないジュースやお茶などの飲みものを3、4種類とお酢を用意します。今回の実験で使った炭酸飲料は色が濃いものを選びましたが、液体のにごりや色を観察するために、むしろ透明な方がおすすめです。
使う骨ですが、魚のものを使用します。
今回の実験では、1本1本の細かい骨と小さな塊になっている背骨を使用しました。
骨を洗う手間はかかりますが、小骨の方が感触の変化がわかりやすいです。
- 炭酸飲料 1カップ
- 炭酸飲料以外の飲みもの3~4種類 1カップずつ(今回は、りんごジュース、オレンジジュース、水、お茶を使いました)
- お酢 1カップ (今回は米酢がなかったためホワイトビネガーを使用しました)
- 魚の骨
- 透明なコップ(今回は炭酸飲料1種類とその他飲みもの4種類とお酢なので計6個です)
- 計り、計量カップ、魚の骨を取るピンセット、ザル、ラベル、ペーパータオル
実験の方法・手順
- 魚の骨をきれいに洗う
- 炭酸飲料水とそれ以外の比べたい飲みものとお酢を用意する
- 各液体を透明なコップに移し同じ分量の魚の骨を入れる
- どのコップにどの液体を入れたのかがわかるようにラベルをはる
- 毎日、上記4点を中心に各液体の骨を観察する
この実験は7日間毎日、次のことを目安に変化を観察していきます。
・液体の色
・液体の濁り方
・骨の感触
・骨の形
実験の最初に、各液体の中に入れる骨の重さを量っておきます。
この重さの変化も毎日の観察に入れてもいいでしょう。
日々の観察を忘れずにメモに残したり、絵日記などに残すといいでしょう。
骨の変化がわかるように、毎日写真を撮るのもおすすめです。
炭酸飲料は、炭酸ガスが抜けていくためにこまめに変えていきます。
実験からわかること
各液体につけた骨の色が1番濃く着色したものを順に並べると、炭酸飲料、りんごジュース、お茶、オレンジジュースでした。
お水とお酢につけた骨の色は最初と同じで色の変化は見られませんでした。
次に、各液体につけた骨の柔らかさですが、水とお茶以外の液体に変化がありました。固い骨が1番柔らかくなったのは、酢につけたものでした。骨がぐにゃぐにゃと曲がるほど柔らかくなりました。小さな塊の背骨が柔らかくなったのも、酢につけたものだけでした。
炭酸飲料とオレンジジュースにつけた骨の方が、りんごジュースのものよりも比較的骨が柔らかくなっていました。
骨や歯は主に酸に溶ける性質があるリン酸カルシウムでできています。
魚の骨を長時間、酸を含んだ液体の炭酸飲料やジュースや酢につけるとカルシウムやマグネシウムが溶けます。この現象を脱灰(だっかい)現象と言います。
炭酸飲料、ジュース、酢など酸の強い液体の中に骨を漬け込むことで骨が溶けることはわかりました。しかし、炭酸飲料を口から飲み、骨が溶けるのかというとそれは全く別の話になります。
酸性度が高い飲みものや食べものを口から接種したあとは、胃に流れます。消化液の胃酸は炭酸飲料よりもずっと酸性度が高いため、酸性度の高い飲みものや食べものを接種したからといって骨が溶けることを心配しなくても大丈夫でしょう。