酸素系漂白剤を使って酸素生成をしてみよう!家にあるもので実験する方法について解説
「家に今あるものだけで簡単にできる自由研究はないかなぁ…」
「締め切りが近いから、1日でできる自由研究がしたい」
「酸素を作る実験がしたいけど、どうやればいいのかが分からない」
そういったお悩みはありませんか。この記事では家庭にある野菜や漂白剤、ジップロックなどを利用して小学生にもできる『酸素を作る方法』を紹介しています。
実験風景の写真を掲載することで、視覚的にも分かりやすい記事になっています。なぜ野菜で酸素が作れるのか、その理由についての解説もしているため、子供と一緒に原理を理解しながら科学の神秘に触れることができるでしょう。
別々のものを合わせることで、今までそこに無かったものを発生させられるという不思議な体験を、是非楽しんでみて下さい。
▼この記事を読んだ方はこんな記事も読んでいます。
目次
酸素系漂白剤を使って酸素を作ってみよう!
酸素系漂白剤には「過酸化水素」というものが含まれています。過酸化水素は水と酸素に分解することが可能ですが、野菜に含まれる酵素である「カタラーゼ」は、その分解の速度を早めてくれます。
過酸化水素の化学式は「H2O2」であり、水は「H2O」、酸素は「O2」です(いずれも数字は下つき文字)。
「H2O2」はHとOが2個ずつということなので、2つの「H2O2(過酸化水素)」を分解することで、2つの「H2O(水)」と1つの「O2(酸素)」を生成することができるのです。
上記を式として表すと「2H2O2→2H2O+O2」となります。今回の実験では、カタラーゼによる分解速度上昇の働きを利用して、酸素系漂白剤から酸素生成を行います。
実験に必要なもの・環境・準備
- 酸素系漂白剤(オキシドールでも可)
- ジャガイモなどの野菜
- おろし器
- 密閉可能な、ジッパーがついたビニール袋
- 線香
- ライターやマッチ
- 水を入れたコップ
タンパク質であるカタラーゼには、高温や低温で働きが弱くなってしまうという性質があります。そのため、野菜は生のものを使用しましょう。ジャガイモ以外に、大根やキュウリ、メロンなどでも実験が可能な他、絞り汁のみでも行えます。
また、線香は長めのものの方がビニール袋に入れやすく火傷もしづらいため、おすすめです。火は酸素に触れると勢いよく燃え上がってくるので注意しましょう。火事にならないよう、予め水を入れたコップなどを準備してから実験を始めます。
実験の方法・手順
- 野菜をおろし器ですりおろし、ジッパーつきのビニール袋に入れる
- すりおろし野菜の入ったビニール袋に漂白剤を加える
- 袋の中の空気を押し出し、ジッパーで密閉してしばらく待つ
- ライターなどで火をつけた線香を手順3のビニール袋に入れて、酸素が発生したか調べる
- 火事にならないよう、火の始末をする
上記が、実験の手順です。おろし器を使う際には、手を傷つけないように注意しましょう。すりおろし野菜に漂白剤を加えると、酸素である泡が出てきます。
ビニール袋が膨らんできたら火をつけた線香を入れます。火は酸素に触れると勢いが強くなるため、袋内で線香の火が強くなるかどうか観察することで、きちんと酸素が発生しているのかを確認することができます。
酸素は空気よりも重さがあるため、ビニール袋から出ていきにくくはありますが、袋を開く際は静かに開くようにしましょう。酸素の発生が確認できたら、火をつけた線香は水につけてしっかりと消火しておきます。
実験からわかること
酸素が泡として目に見える形で出てくるので、どのぐらいの量の漂白剤にどのぐらいの量の酸素が含まれているのかがわかりやすいと思いました。
家にあった線香が短く、ビニール袋に入れづらかったため、セロハンテープで竹串と繋いで長くしました。短めの線香しか無い場合は、そうした方が袋内の酸素を逃がさず観察できると思います。
世の中に存在するものは、それぞれが影響し合ってさまざまに形を変えているのだということがわかる、神秘的な実験でした。