オレンジの皮で風船が割れる?実際にやって調べてみよう!
「そろそろ夏休みが近いけれど、今年は何をテーマに自由研究するのかしら?」
「身近なものを使いながら、新たな発見が出来たら良いわよね」
「子どもたちと楽しく一緒に出来たらうれしいな」
小中学生のお子さんを持つ保護者の中には、夏が近づいてくると、このように考えられる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、夏休みの自由研究に活かせるテーマとして、オレンジの皮で風船が割れる理由を、その手順や結論とあわせて紹介しています。お子さんに接点のある、オレンジや風船を使用した実験なので、子どもたちと一緒に楽しく取り組めるでしょう。
日常の不思議に興味を持ってもらうきっかけとして、本記事を参考に、オレンジの皮で本当に風船が割れるのか検証してみて下さい。
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目次
オレンジの皮で風船を割ってみよう
オレンジの皮を剥くとき、「プシュ」と皮の表面から何か出てくることがあるでしょう。
そしてその時、オレンジの良い香りがすることがありますが、その液体を風船に向けて絞ると風船が割れてしまいます。
風船に、その液体がかかる様子を観察し、どうして割れてしまうのか、お子さんたちと一緒に考えてみて下さい。
実験に必要なもの・環境・準備
用意するものは、オレンジ(皮)と風船です。オレンジの皮は、乾燥すると液体が出にくくなってしまうので、時間の経過していないオレンジの皮を用意しましょう。
風船はゴムが厚いと割れにくいので、ゴムの薄いものを選んだり、大きく膨らませたりしてゴムが薄くなる状態を作りましょう。
風船が割れ、大きな音がします。大きな音が出ても問題のない環境で実験してください。
- オレンジ(皮)
- 風船
実験の方法・手順
最初に風船を膨らませます。
オレンジの皮を先に剥いても良いのですが、オレンジの皮の液体が手に付着した状態で風船を膨らませると、その手に付着した液体により割れてしまうことがあります。そのため、オレンジの皮を先に剥く場合には、剥き終わったタイミングで手を洗うようにしましょう。
次にオレンジの皮を剥きますが、目に液体が入らないように気を付けてください。
オレンジの皮を風船に向けるようにして潰します。その際、オレンジ色の方が外側になるようにして潰してください。
オレンジの皮の液体が風船に付着すると、風船が割れます。一度では量が足りず割れないこともあるため、何度か皮を潰すようにし、液体を風船に付着させてみるようにしましょう。時間差で割れることもあります。
実験終了後は、オレンジの皮や割れた風船を片付けてください。
- 風船を膨らませる
- オレンジの皮を剥く
- 風船に液体がかかるようにオレンジの皮を潰す
- 風船が割れる
実験からわかること
今回の実験から分かることは、オレンジの皮から出てきた液体に含まれている成分が、風船の素材であるゴムの部分に何かしらの影響を与えたということです。では、このオレンジの皮から出てきた液体の正体、その成分は何なのでしょうか?
それは、リモネンという成分です。このリモネンは柑橘系特有のさわやかな香りの正体なのですが、柑橘系の皮にはこのリモネンという成分が含まれています。
実はこのリモネン、風船に使われている天然ゴムの成分であるイソプレンと成分の構造が非常に似ています。
このことから風船にオレンジの皮の液体、リモネンが付着することで、お互いの成分が溶け合ってしまいます。そして、その溶け合っている部分以外のゴムに引っ張られるようにして、風船が割れてしまうのです。
今回はオレンジの皮で実験をしましたが、レモンやミカンの皮でも同様の結果が得られます。そして風船だけでなく、プラスチックや発泡スチロールなども成分の構造が似ているため、このリモネンは色々な状況で応用、利用されています。
どんな場面でリモネンが活躍しているのか、それを調べてみるのも面白いでしょう。